勉強自体が趣味で楽しいならそれでいい

一方の生涯学習はもっと広い概念で、キャリアと必ずしも連動せず、自分の関心を深掘りし、生きがいを持つことができる学び全般のことです。

趣味やスポーツ、芸事などの学びも含まれています。いわゆる教養を深めたい、知識を増やしたい、勉強すること自体が楽しいという学び方です。

リカレント教育というと現役世代が多く、生涯学習というとリタイア組が余暇を利用して学ぶというイメージが強い。しかし、今後は還暦を超えても生涯現役として働き続けるということであれば、リカレント教育が必要になる場合も増えてくると考えます。

どのような学び方が正しいということはありません。私個人としては、なにより作家として著作物を生み出すことが仕事であり、そのための勉強がすべてです。

とはいえ、学んで新しい知識を取り込むことが自分にとって大きな喜びであることは、学生時代からまったく変わっていません。

勉強自体が趣味で楽しいという人は、勉強し続けるのをやめるべきではないでしょう。

学びを必要としている若い人を邪魔しない

大学の公開講座などでは、リタイア後のシルバー層の人たちが目立ちます。なかには明確な目的があって勉強している人もいますが、仲間と会ってコミュニケーションをとるために参加しているという人もいます。

公開講座もセミナーも定員があります。明確にシルバー層に向けたものであるなら別ですが、必要に迫られて学ぼうとしている若い人たちに割って入って、彼らの学ぶ機会を奪うことがないように配慮する必要があるでしょう。

大学セミナー受講生グループ
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※写真はイメージです

また、年配の参加者のなかには授業中に自分アピールをして周囲に認められようとする人もいます。長時間質問をしたり単なる自慢話を繰り返したりと、まさに勉強の邪魔です。

若い人たちはそういう高齢者を見て、自分も還暦後はああなるのかと幻滅してしまう。いろいろな意味で彼らにとってマイナスの作用を及ぼすわけです。

実際、セミナーや講座によっては毎回顔を出すベテランがいて、まるで自分が主役であるかのように威張っている人物もいます。

言葉はきついかもしれませんが、そうなるとまさに“老害”です。どうか、そのような在にならないよう気をつけてください。自分は大丈夫と考えている人がほとんどかもしれませんが、仲間ができたり、コミュニティができたりして常連がいるようなセミナーや講座だと、知らない間にそんな厄介な存在になってしまう危険性があります。目的なく勉強を続けている場合、こうした状況に陥る可能性があるので気をつけましょう。