日曜日の午前中も自分のための情報収集や整理にあてています。社長になってからこの時間帯は自分の部屋にいることが多くなりました。
たとえばお客様のところであいさつをする機会が1週間に2度、3度あるという場合もあります。同じ話を繰り返すわけにはいきませんから、材料を整理して、場合によっては原稿に書き上げます。
この時間に事業戦略を考えることもあります。その際は何枚も紙を広げて考えるため、どうしても自分の机の上だけではゴチャゴチャになってしまうので、そういうときは来客用の部屋にあるダイニングテーブルに移って構想を練ります。
こうした考えを煮詰めるような時間も必要ですが、一方で判断をできるだけ的確に、なるべく早く行って、みんながムダな仕事をしないようにすることも大切です。たくさん仮説を持ちすぎて「ああかもしれない、こうかもしれない……」とやっていると際限なく仕事が増えてしまうので、なるべく早いうちに基本方針をすり合わせなければいけません。
実際、判断したりアイデアが湧いてきたりするのは一瞬です。反射的に判断ができるようにするには、事前に情報を蓄積しておくことです。そのためには何が起きて何が問題になりそうか、自分たちはどうしていきたいかといった関心をきちんと持っておくことです。すると、それなりの情報が入ってきやすくなります。出来事が起きてから「どうしよう……」と考え始めるようでは追いつきません。
もし不得意分野があれば得意な人に話を聞けばいい。苦手は人でカバーする、ということです。もともと会社は個人が専門性を発揮することで力が出るようにできているのですから、自分1人ですべての領域に取り組む必要はありません。
会社は1人ひとりが役割分担し、共通の大きな目標を達成するためのチームです。チームが機能するには会社が考えていること、社長の私が考えていることをなるべくスピーディに、タイムリーに現場まで共有化することが大事です。