<strong>松沢幸一●キリンビール社長</strong>。1948年、群馬県生まれ。群馬県立館林高校卒。北海道大学農学部卒業後、73年同大大学院修士課程修了。同年キリンビール入社。主に生産技術部門を歩む。キリンヨーロッパ社長、キリンホールディングス常務などを経て、2009年より現職。
キリンビール社長 
松沢幸一 
1948年、群馬県生まれ。群馬県立館林高校卒。北海道大学農学部卒業後、73年同大大学院修士課程修了。同年キリンビール入社。主に生産技術部門を歩む。キリンヨーロッパ社長、キリンホールディングス常務などを経て、2009年より現職。

24時間をどのように使うかで仕事のレベルや生活の質はすべて変わってくる。言い方を変えると仕事のレベルや生活の質を高めるには、24時間に何をどう割り振りするのかを絶えず考えなければいけない。そう社員にはよく話をしている。

1日24時間、1週間7日、1カ月30日を一つのユニットとしてとらえ、そのなかでやるべきこと、いったん脇に置いておくべきことなど優先順位をつけて割り振っていけば、一見忙しいように思えても意外に仕事は回っていく。

私自身のスケジュール管理は、秘書が毎日の予定を社内管理システムにインプットし、その内容を1日ごとにプリントアウトしたものを1週間単位でクリアファイルに挟み込んで持ち歩いている。

これを眺めながら、今日明日だけでなく今週はどうなっているか、その先は何があるかと前を見ながら現在を調整していく。クリアファイルには個別案件のレジュメや会議資料なども入っていて、そのたびに引っ張り出して目を通す。

さらに予定の内容は自分の手帳に鉛筆で書き写している。鉛筆を使うのは予定が変更されたときに書き換えられるようにするためである。予定していた事項が終わったら、その振り返りや所感も手帳に書き込む。こちらにはボールペンを使用し、重大な出来事があったときは赤色を使ったり、ときには絵を描いたりもする。見返してみると、やはり東日本大震災が発生した11年の3月11日以降は赤色の書き込みが格段に増えている。