味の素社長 伊藤雅俊氏

スケジュール管理には据え置き型の大判手帳を愛用しています。これを気に入った理由は先々まで大きく見渡すことができ、1年先のイメージまでつくりやすいからです。

たとえば海外出張から帰ってきた後に何らかの会合でご挨拶をするときのように、1週間先の準備にいま手をつけなければいけないことはよくあります。このように将来から現在に戻って仕事の配分をするときに、先々まで見通しやすい大判手帳はとても役立ちます。

もう1つこの手帳を気に入っている理由は、世界地図がついていることです。比較的詳細な地名まで掲載されている地図なので「○○はどこだっけ?」というときにすぐ確かめられます。表紙が革なので手触りもいい。

アポイント等のスケジュール調整は、秘書も同じ手帳を持っていて、毎朝の打ち合わせで調整していきます。

時間配分の優先順位としては、稼働時間を100とすると4割は国内外のお客様、3分の1は社内外の会議に向け、残りはその他の仕事に配分しています。

その中で自分の考えをまとめる時間も必要なので、可能な限り週に1回は4時間くらい何の予定も入れない空白の時間をつくっています。そこでは1人で集中しなければいけないことに取り組んだり、先々の予定を組み立てたりしています。

空白に予定している時間帯はダイアリーに赤のボールペンで×印を書き込んでいます。これは私のOKがないと秘書は勝手にスケジュールを入れてはいけないという印で、株主総会の前は赤のボールペンだらけになりますね。

スケジュールにマーカーで色をつけているところがありますが、これは「要注意」という意味で、事前に準備が必要とか、相手にキーとなる言葉をきちんと言わなければいけないといった用件です。

考えをまとめたりメモを取ったりするときには、大判手帳とは別にいつも持ち歩いている小さなメモ帳や付せん紙、あるいはパソコンを使います。