クックパッドがすべきは「借り物ビジネス」からの脱却
コアリーのケースから参考になるのは、たとえ“良かれと思って”が動機だとしても、結果的に利用者に不利益を与える可能性があれば、批判は免れないということだ。それだけユーザー主体のサービス展開を行うのは難しい。
さて、こうした背景を説明しつつ、いま苦境に立っているクックパッドは、どのようにブランディングすればいいのかを考えたい。今回の炎上を糧にして、いかに成長していくか。そのカギを握るのは、ユーザー投稿や、他サービスのレシピなどを集約する「借り物ビジネス」のイメージから脱却できるか否かだと思われる。
重要なのは「ここでないといけない唯一無二の存在」と認識されているかどうかだ。言い換えれば「オリジナリティーで勝負できるか」。具体的には“みずからコンテンツを作り出している感”を醸し出す必要があるだろう。
そこで、ひとつ考えうるのは、「編集」の視点を持ち込む活路の見いだし方だ。たとえ元になる情報が“借り物”だったとしても、そのアレンジでいくらでも差別化は図れる。あえて第三者の力を借りなくても、自社でまかなえる部分はあると感じるのだ。
大量の投稿レシピを生かさぬ手はない
例えば、蓄積されたレシピのビッグデータから、「多く使われる食材」や「高評価レシピに使われがちな食材」などを分析することは、大量のオリジナルレシピを擁するクックパッドにしかできないだろう。調味料でも「この食材に使われるしょうゆは、どの種類が多いのか。濃口か薄口か、それともたまりか……」といった視点からのコンテンツ化も図れる。
そして、管理栄養士や料理研究家などの知見を借りつつ、投稿レシピの進化系を作る。集合知をフル活用して、定番料理をアップデートしていく。
生活リズムが多様化する現代社会においては、市販の総菜を活用したアレンジグルメを押し出してもいい。「作る人」の余力に合わせて、自炊をチューニングする。それが、クックパッドの持ち味を生かしたリブランディングにつながる。
「生姜焼き」と検索すれば1万7000件、「肉じゃが」は1万4000件のレシピがヒットするなど「レシピの投稿されすぎ」で利用者離れを招き、業績を落としていた同社が向かうべきは、増えすぎたレシピサイトにさらに他媒体からレシピを引っ張ってくることではなく、溜まりに溜まったビッグデータからわかりやすい「最適レシピ」を提供することではないだろうか。
「レシピ投稿サイト」から「家ごはんの総合サイト」への衣替えが実現すれば、世間の見る目も変わってくるはずだ。しかしそれが実現できなければ、なかなかイメージ転換は難しくなる。そう考えると、注目を浴びている今はチャンスである一方、失点につながるリスクも抱えている。いずれにせよ、ここで何も変えられなければ、同様の批判は繰り返されるだろう。


