「人任せ」「タダ乗り」が炎上を生む
これらはクチコミやレビュー、レシピといった投稿を集める、いわば“集合知”に依拠したビジネスモデルだ。当然ながら、選ばれるには「使い勝手の良さ」などの要素が必要だ。ただ、肝心なコンテンツそのものは、ユーザー頼みになっていることから、「人任せ」のような印象を与えかねない。
それは、たとえ規約などで利用者の事前許諾を取っていても同様だ。「伝えたい」という一般ユーザーの思いを利用した、ある意味での“やりがい搾取”だと認識されてしまえば、あまり良いイメージは持たれない。今回のレシピスクラップのように、他人のコンテンツを利用するとなれば、なおのことそうした印象が強くなる。
こうした「タダ乗り」批判に加えて、昨今の生成AI普及によって生じつつある「AI嫌悪」も、レシピスクラップ事案では、あまり良くない方向に傾いた。レシピのURLを貼り付けることで、AIが内容を抽出する仕様には、「人の気持ちがこもったレシピを、情報として機械的に処理している」と、感情論からの反発が出やすい。
「善意のサービス」が裏目に出たシンマママッチングアプリ
そして、とくにスマホアプリなどで批判されがちなのが、「囲い込み」だ。広告収益などを上げるために、なるべくアプリ内で回遊させようとする戦略は、ネットサービスでは珍しくない。例の新機能も、そうした発想から出てきた可能性がある。
これらの要因が重なった結果、新機能へのヘイトは必要以上に燃え上がったと考えられる。“ユーザーファースト”ではなく、どこか顧客を横に置いた“利益ファースト”ではないかと思わせてしまうと、あまりイイ方向には進まない。
一方で、運営側が「善意のサービス設計」を意識していても、裏目に出る事例もある。参考になるのが、2023年1月に起きた「coary(コアリー)」の事案だ。起業家の前澤友作氏による監修のもと、シングルマザーのための恋愛・結婚マッチングアプリとしてリリースされたのだが、利用者を危険な状況に置くのではないかと批判を浴びた。
具体的には、子どもの年齢や性別などを事前入力することから、「虐待目的でこれらの情報を利用する人が出てきかねない」などといった懸念が示され、わずか1日でアプリは配信停止となった。
前澤氏は当時、X(投稿時はツイッター)で、シングルマザーへのヒアリングを通してサービス設計をしていたものの「懸念事項に対する対策や、一部の表現などに問題があった」との反省を示していた。
