ミュージシャンにとって稼ぎにくい仕組み

一方で、ミュージシャンにはTikTokは厳しいプラットフォームのようだ。バンド「トップシークレットマン」のボーカルしのだは、自らのXで「『バンドマンってお金いくら貰ってるの?』って思うかもしれないけど、例えばTikTokで自分の曲が292万回再生されても656円しか貰えないぜ! 押忍」と、TikTokで曲が再生された際の収益が驚くほど低いことを明かしている。

それによると、動画再生数が「292万5512回」、動画作成数は「3654回」に対して、収益は656円だった。つまり1再生あたり、わずか0.0002円ということになる。

TikTokでは、動画に登録したオリジナル楽曲が使われると、再生されるたびにアーティストと投稿者の報酬が入る仕組みがある。このBGM収益の単価が下がっていることが指摘されており、ここまで低い金額となってしまったと考えられる。

なおTikTokのBGM収益は、すべての広告収入からプールされ、いくつのユニーク動画に使用されたかによって配分される仕組みだ。単純に楽曲再生回数で収益が決まるわけではない点に注意が必要だ。

TikTokを入口に、高単価のYouTubeへ

TikTokで稼いでいる人も増えており、特にTikTok LIVEでの投げ銭額には期待できるが、全体にYouTubeよりは単価が低めだ。

YouTubeはアーカイブ性が高く、過去の動画からも広告収入を得ることもできる。YouTubeショートも単価は低いが、チャンネル登録者以外にも表示されるため、ショートで認知度を高め、チャンネル登録に持って行くのが鉄則だ。

一方TikTokは、YouTubeショート並の単価だが、ファンがたとえ0人でもおすすめに載ることもあり、全体にバズりやすく、やはり認知度を高めるのに向いている。現在YouTuberのチャンネル登録者数ランキング1位(7360万人)であるISSEI/いっせいは、当時、収益化の仕組みがまだなかったTikTokで認知度を高め、YouTube登録者数増につなげている。

登録者数はヒカキンの3倍超の6700万人…「動画素人」だった20歳男性が日本一のYouTuberになれたワケ

TikTokとYouTubeではユーザー層が異なるため、どちらもうまく活用して、ファンを獲得していくことが大切だろう。また、ランキング上位層は言語に頼らないノンバーバル系動画で世界中からファンを獲得したり、既存のファンに向けたライブ配信で投げ銭を得ている傾向にある。

【図表】小学生・中学生の「なりたい職業」(全体・トップ10)
画像=プレスリリースより

ミュージシャンのBGM収益は確かに厳しい。ただし、「アーティストに協力」という広告費を投じて楽曲を宣伝する仕組みを使ったり、ライブ配信などをして投げ銭を得るなども可能だ。「配信者」を職業にするには、プラットフォームを戦略的に利用することが求められていると言えるのかもしれない。

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