子どもが喜ぶ・失望する「親の反応」
親としては、悪気はまったくないのです。親から見れば、子どものやることには、いろいろと足りないところがある。そして、少しでも上達・成長してほしいと思って、どうすればもっとよくなるかを伝えようとします。それはもしかしたら、その先の子どもの人生で役立つ場合もあるかもしれません。
しかし、子どもからしたら、できていないところを指摘されて、「そのままではダメだよ」と言われた気分になるでしょう。自分としては、うまくできた、ほめられてうれしかった。だからそれを大好きな親に話した。一緒に喜んでほしいのです。親からの、「話してくれて、見せてくれて、ありがとう」という反応こそ、子どもの望んでいることでしょう。
このように講演で話すと、「では子どもに小言は一切言ってはいけないのですか?」「アドバイスもダメなんですか?」「そんなことでは、子どもは成長しないのではないですか?」「親としての役割、子どもを導き育てる役割を放棄していることになりませんか?」などのコメントを必ずもらいます。
小言やアドバイスを言ってはいけないと言うつもりはありません。
幸せな家族がやっていること
アドバイスをして子どもを伸ばしてやりたいと思うのは、親として当然です。それは親の大事な務めでもあるでしょうし、喜びでもあるでしょう。そこに異論はありません。ここで述べたいのは、小言を言わないことには前向きな意味がある、ということです。
指摘すべき問題があるのに言わないのは、子どもを放置していることになるのではないか、親としてすべきことをやっていないのではないか、というような不安を持つ人がいます。その一方で、次から次へとアドバイスを与えながら、それらのアドバイスは、子どもの幸せに役に立つ、しっかり届ければ届けるほど良い、ということを疑っていないような人がいます。
そのような人にこそ、小言を言わないことには実はメリットがあるということを伝えたいのです。小言を言われずに家庭でリラックスして過ごせることは、子どもの幸福ですし、子どもが幸福であることは、親も幸せにします。これは、とくに費用もかからない、それでいて効果のある「幸福をもたらす」方法です。

