なぜ日本の新築物件が無個性になったのか
アントンさんは、日本の新築物件が無個性になってしまった理由を、銀行・デベロッパー/ハウスメーカー・国民の3者の利害が一致したからだと分析する。日本社会は長らく新築信仰が厚く、銀行は融資をつけやすいし、デベロッパーとハウスメーカーも内装を規格化したほうが採算を合わせやすい。購入する国民もステータス意識が強く周囲に「私はタワマンに住んでいる」などと自慢できるし、家の中身がチープでもインフラが整っている物件のほうが「楽」という心理が強いというのだ。
「日本の場合、スクラップ&ビルドが基本で、不動産業界全体が新築を高値で売ることに最適化したビジネス環境をつくっているのです。僕の三軒茶屋の家も、『再建築不可』だったからこそ2100万円ですんだのです。これが再建築可だったら、1億2000〜1億3000万円だったと思います。当然、火災対策や駐車場が建てられないなどの理由もあるのでしょうが、『リノベーションすればいいじゃん』と思います」(ウォールマン氏)
都内で1000万円台の物件はゴロゴロある
経済的に新築物件購入が厳しい以上、他の選択肢を考えるしかないのが現実である。実際空き家を購入し、DIYでリノベーションすることで安価に、豊かな暮らしを送ることができるのだろうか。
まず空き家の購入費用について。大体いくらぐらいで買えるのか、と尋ねたところ……。
「都内でも土地を含め1000万円台の戸建て物件もたくさんあります。ただ、問題は空き家の流動性が非常に低いこと。不動産屋さんはビジネスになりにくいから仲介しないし、銀行も融資を渋る場合も多い。現在の持ち主も『親が住んでいた家だから』『そのままにしていても特に問題がないから』などと、放置しがちです」(ウォールマン氏)
さらにリノベーション面においても、そう甘い世界ではないという。

