高学歴女性にも3人産んでもらう仕掛け
2018年には、大学卒業後の一定期間内に子どもを持つと、学生ローンを一部または全額免除する制度を導入した。子どもが3人いると全額免除になる。高学歴者の晩婚化が進む中で、できるだけ若いうちに出産してもらいたいという意図があった。
2019年には、結婚後であっても、無利子の出産準備ローンを提供することで、子どもが生まれると返済猶予・免除される仕組みも併用している。
ただし、この出産ローンは母親が40歳未満であることが条件で(当初は35歳未満で初婚が条件だった)、「5年以内に子どもができなかったら全額返済」という条件が付いている。3人以上の子どもがいる場合は残高の全額返済免除になる。
また、3人以上の子どもがいる世帯に向けた自動車購入補助金など、その後も子育てに直接結びつく生活支援型の助成もきめ細かく提供している。
「ハンガリーに続け」と絶賛されたが…
ハンガリーの少子化対策は、これから子どもを持とう、あるいはこれから結婚して子どもを持とうという人たちに高い経済的インセンティブをもってもらうよう制度強化をはかることが大きな柱になっている。
また、ハンガリーの少子化対策(家族政策)への支出はGDP比で4〜5%前後であり、支出規模はEU加盟他国と比べてもトップクラスに位置する。
先進国を中心に少子化対策が叫ばれている中で、ハンガリーの大胆な政策は各国メディアから絶賛された。日本においてもハンガリーについての報道が相次ぎ、日本の保守層や少子化対策論者から「日本もハンガリーに続け」と言われることが多かった。
極端な少子化が進む日本では、現在でも「子ども一人の出産に国から1000万円を支出せよ」などといった極端な意見が出ることがあるが、これもハンガリーの大胆な少子化対策の「成功」を念頭に置いたものが多いのではないだろうか。
ハンガリーはEU諸国の中では移民や難民の受け入れが少なく、そのために外国人問題を重視する保守論者には「反移民の国」として評価されやすい面もあるのだろう。
言うまでもないが、少子化対策についてはそれとは別に考えるべきだ。

