最高益更新、構造改革の真っただ中、イノベーションの途上……。それぞれの局面で求められているのはどのようなリーダーなのか。

無人ダンプトラック運行システムやICTブルドーザーなど、先駆的な製品やサービスで知られるコマツ。この4月に就任した大橋徹二氏は米国子会社社長を務めるなど、豊富な海外経験の持ち主である。

――これまでに困難を極め、乗り越えた仕事には何があるか。
コマツ社長 大橋徹二氏

【大橋】赤字だった海外子会社の鉱山機械事業の立て直しだろう。2004年、私は鉱山用ダンプトラックの開発と生産、販売を行っているコマツアメリカの社長に就任した。当時は鉱山不況で大赤字のうえ、製品の耐久性に問題があり厳しい局面にあった。坂根社長(当時)からは「ラストチャンスだ。これでうまくいかなかったら、うちの鉱山機械事業は厳しい」と送り出された。