負ければおしまいの高校野球で学んだ自己責任

通常、ベストを尽くそうと完璧主義になるが、100%は要らない、といわれてリラックスできたという。両親にも発破をかけられたことはないそうだ。それでも、自ら机に向かえたのは……。

「勉強をするもしないも自己責任なので。しなかったら後で苦労すると自分に言い聞かせてました」

高校野球のトーナメントの公式戦は負ければ終わり。甲子園への道は閉ざされる。悔いを残したくなければ自らを律して練習するしかない。

文武両道を貫いた五味さんと笠原さん
撮影=清水岳志
文武両道を貫いた五味さんと笠原さん。諏訪清陵は1学年240人で、うち80人はこの2人を含め中高一貫の付属中から進学

守屋監督ら指導者は練習中、ほとんど口を挟まない。前出の通り、練習メニューは主将が考えて進められる。選手主体の練習は徹底されていた。自立心は日々、備わっていて、それが勉強面にも反映されたと言えそうだ。

守屋監督は言う。

「笠原はある意味、(女子主将として)注目された五味に隠れた存在でもありました。でも、微塵も感じさせない存在感があって、頑張ってくれました。そんなチームの一員が受かってくれて、ほんとにうれしかったです」

野球部の守屋光浩監督
撮影=清水岳志
野球部の守屋光浩監督

五味さんも笠原さんも合格した旧帝大で何をするのか、今はまだ何も決めていない。だが、取材時のはじけた笑顔にはどんな人生でも切り開いていくであろう予感に満ちていた。

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