名古屋大文学部へ学校推薦で合格

一方、同じ女子マネの笠原さんは名古屋大学文学部に学校推薦で合格した(※)。当初は筑波大の一般入試を考えていたが、高3の夏に部活が終わってから、進路指導主任を兼ねる守屋監督に評定が学年でも高いことなどを理由に名古屋大を薦められたという。

※一般入試の偏差値は医学部医学科の67.5には及ばないが、62.5の極めて高い水準。

女子マネの笠原小夏さん
撮影=清水岳志
女子マネの笠原小夏さん

1次は出願書類を提出し、それが通って2次は小論文と面接だった。

「書類は名古屋大学で学びたいことと、人文学に関わる本を1冊取り上げて、本の内容とあなたの考えを書きなさいという課題でした」

“新聞の紙とデジタルの違い”に関する本を題材にした。

「筆者が新聞記者だった人でデジタル部署に異動になったときに、記事を元の部署と同じ書き方をしていたら、全く読んでもらえなかったそうで、紙とデジタルだと(句読点の位置や読者のニーズなど)事情が全く違うようで、そういうメディアの現状に興味を持ちました」

毎日、自宅で購読する新聞2紙に目を通し、日々のニュースに触れていたから、小論文に繋がった。

「志望理由は言語学とか日本語学を勉強したいと書きました。高校の課題研究で、マルハラ(SNSで文章の末尾に句読点がついているとストレスを感じる人がいるという現象)について調べていて、語学って面白いと思っていました。面接は最初に5分、自身のプレゼンテーションをやって、それは詰まったりせずに練習通りアピールできました。そのあと、質疑応答があって、うまく答えられないのもあったんですが……」

定期考査の成績はベストが9番、ワーストで29番というから、かなり優秀だ。しかし、野球部の練習でかなり時間と体力を削られる中、学力を維持できたのはなぜなのか。

どんなに疲れていても死守したルーティン

自転車で20分の距離の自宅へは部活が終わるとまっすぐ帰った。ルーティンはかっちり決まっている。すぐにお風呂に入ってご飯を食べて、1時間か1時間半ぐらい勉強をする。どんなに疲れていても、この流れを死守する。そう心に決めていたという。

「部活の疲れを持ち越さないために早く寝ていました。就寝時刻は22時半。この習慣を乱さずに継続しました。起床は6時、学校に7時半に登校して図書館などで1時間半ほど勉強しました」

夕方から夜は部活があるので、朝、体が元気なうちに実践するこの図書館勉強は学力維持に不可欠だったという。短い時間で集中してやるのも彼女の特筆すべき勉強法だ。

「授業は眠くないです。早く寝てたんで(笑)。逆にそれがよかったんだと思います」

高校でも先生から勉強しなさい、と言われたことは少なかったそうだ。先生から言われて勇気づけられたアドバイスは、「100%を出さなくていい」という言葉だった。

「今、自分が出せることを出しなさいと。合格(最低)点に届けばいい。他の人をちょっとでいいから上回ればいいからと」