年の途中で会社を辞めた人は確定申告を

確定申告しなくてもいいけれど、したほうがお得、というケースもあります。

対象となるのは、家族で年間に10万円以上医療費がかかっている、住宅ローン控除が受けられる(1年目)、ふるさと納税でワンストップ特例制度を使っていない、自然災害や盗難で被害を受けた、年末調整後に出生や結婚をした、親や祖父母の面倒を見はじめた(生計を一にする)など家族に変化があった、年の途中で会社を退職した、などという人です。

婚姻届の記入
写真=iStock.com/yuruphoto
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特に、年の途中で退職して年末調整を受けていない人は、前年の収入をもとに所得税及び復興特別所得税を毎月の給料やボーナス等から源泉徴収されていますが、年の途中での退職だと収入が下がる可能性があるので、取り過ぎの税金が戻ってくるかもしれないからです。

ちなみに、会社都合などで会社を辞めるとすぐに失業保険が受給できますが、失業保険として支給された給付金は、所得とは見なされないことになっています。

所得を申告しないとどうなるか

確定申告をすべき人が申告をしないで、税務署にその事実が知られると、本来の税金に加えて、期限後申告のペナルティ(無申告加算税、重加算税、延滞税)などが課されます。

例えば、本業の年収が400万円、副業で60万円稼ぐと、経費ゼロとして所得税が6万円、住民税が6万円となり、税金は12万円増加します。ただ、住民税は自治体によって違うので、ここでは所得税の増加分について見てみます。

所得税6万円を1年間確定申告せず、帳簿隠しなど悪質とみなされたと仮定して計算してみると、無申告税と重加算税で40%かかるので、追加の税金は2万4000円、延滞金として1年分(365日)(※)で4800円が加算されます。

※延滞税は、2カ月(60日)までと、61日目からでは税率が変わります。延滞税額100円未満の端数は切り捨て。

延滞税の計算式:1日〜60日(6万×2.8%×60)÷365+61日〜365日(6万×9.1%×305)÷365=4800円

つまり、所得税だけで3万円余計に税金を支払うことになるということです。

また、住民税については、進んで確定申告をしなければ副業の収入はわかりませんが、もし無申告が知られたら延滞金が発生しますので、こちらもきちんと申告すべきでしょう。

延滞金については、自治体ごとに決められていて、東京都世田谷区の場合、1カ月以内の延滞金は7.3%、1カ月を過ぎると14.6%となっています。仮に60万円の副業で住民税6万円だと、1年の延滞で約5000円が追加課税されます。

このように、確定申告をしていないことが知られると、もっとも重い場合で、3万5000円(※)の損をすることになるのです。

※世田谷在住で年収400万円の人が、60万円の副収入分の所得税・住民税を1年間無申告かつ滞納したことが知られ、悪質と判断されたと仮定

「この程度の額なんて、どうせバレない」と思っていても、税務署側は、銀行の入出金記録、取引先から提出される「支払通知書」や、メルカリ、ネットオークション、暗号資産などの、匿名性の高い電子取引データなども把握しています。副業する人が増えたこともあり、無申告者や過少申告の調査は年々強化されていると言えます。無申告は、「いつかバレる」と思っていたほうがいいでしょう。

ちなみに、1000万円を超える多額の収入を申告しないなどは“悪質”と判断されることもあり、場合によっては刑事罰に発展する可能性もあり、それこそ人生大損です。

金額にかかわらず確定申告が必要な場合は、期間内にきちんと申告するようにしましょう。

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