政府側も業者も危機管理意識が薄い
それだけではない。
小泉政権時代、内閣府(当時)6階の内閣情報調査室(内調)に電磁シールドが施された直後、電話が使えないはずの会議室に外部から着電し、トップである兼元俊徳内閣情報官を激怒させたことがある。内調はアメリカならCIAにあたる。日本の情報機関の頂点に立つ組織だけに問題は深刻だった。
原因は明らかだった。電磁シールドを設置した業者がNTTドコモの携帯電話だけを意識し、周波数の違うauなどの携帯のことを考えていなかったのだ。
シールド設計は周波数帯を意識して作る必要がある。複数キャリアが混在する場合は、すべての周波数帯での遮蔽試験が必須なのに、政府側も業者も危機管理意識が薄く、漫画のような光景が出現してしまったのである。
本書を執筆している2025年秋になっても、官邸などのセキュリティにこの内調の教訓が活かされていないのだから、開いた口がふさがらない。


