戦国さながらの時代に突入する
小売業の寡占化はスーパー以外では進んでいて、ご存じ、3社寡占のコンビニは97%くらい、ドラッグストア、ホームセンターなどは上位8社で7割弱のシェアを持っている(図表3)。スーパーは約4割と言われているから、このままいけば市場(食品小売で40~50兆円)の約3割のシェアが再分割されるという大再編が起こるのである。つまり、12~15兆円くらいの大きな食品流通市場を業態を超えた大手企業が奪い合う、戦国さながらの時代に突入する、ということなのだ。
最大手イオンがグループ再編を進め、主戦場たる首都圏で巨大スーパーを再編成するのはこの戦いに備えるためなのである。そして、インストアOPなしで集中センターから商品供給するという実験を成功させたのが、イオンのまいばすけっとなのであり、この成功がかれらの戦略転換へのエビデンスとなっていることも付記しておこう。
戦国時代における「鉄砲」の登場である
戦国時代に例えるなら、前半期に各地の中小豪族が独立の支配権をもって割拠していた時代、勝ったり負けたりでなかなか収斂するには向かわなかったことはご存じであろう。その群雄割拠を一極集中に向かわせたのが、新たな技術革新「鉄砲」であったことも有名である。ちょっと物騒な表現で恐縮だが、この「鉄砲」とスーパーの集中センターとは似ているところがあって、どちらもカネがないと、装備、設備投資ができない。
経済力のある組織が勝つ戦国時代と同様、収益規模がスーパー存続の条件となり、そして割拠の時代は寡占化へと向かう。イオンの首都圏再編(関西でもやっているが)は、最大手による覇権確立の宣言でもある。そして、イオンに次ぐ大手スーパー各社も決勝リーグに残るため、一斉に「鉄砲」(集中センター投資の意)装備競争に走り始めた。そして、5年もすれば、この寡占化ストーリーが顕在化することになるだろう。


