東横インは地元のオーナーと関係を築き、支配人をはじめとする従業員を地元で雇用する地元密着型の経営だという。会員もまた、黒田社長にとっては応援団の一員だ。
「多少駅から遠くても東横インを選んでくださる。リーマンショックで稼働率が落ち込んだときにも、会員の皆様のおかげで持ちこたえることができました。東横インは女性支配人が多いですから、女将としてのきめ細かなもてなしが功を奏しているのでしょう」
こうして多数の応援団を抱える黒田社長は海外に展望を見出す。
「既に韓国に出店していますが、来年度にはカンボジアにも出店予定です。海外にはビジネスホテルという業態がほぼ存在していません。韓国でも、われわれが出店する前は高級ホテルとモーテルの二極化といった状態でした。出店直後はなじんでいただくまでに相当の苦労をしましたが、今では稼働も上々です。日本型のおもてなしというのは、海外ではなかなか見られません。ビジネスホテルの中でも日本型のおもてなしを重視しているのが東横インの強みです。海外でも通用するはず」
(文中敬称略)
(小倉和徳=撮影 PIXTA=写真)