「保険があるから大丈夫」ではない健康リスク

③健康

会社の健康のみならず、夫婦どちらかの健康が害された場合、長期の療養を余儀なくされる、長期離職によって所得が下がる、役職が変わるなどのリスクが露わになります。とりわけ中高年夫婦にとっては身近なリスクといえます。

よく保険に入っているので大丈夫と言われますが、疾病もいろいろ。単なる体調不良程度であっても継続的な勤務が叶わないケースもあります。ましてや死亡すれば保険が、といっても亡くなるまでにそれ相応の時間が経過しますし、その期間中の収入減には注意する必要があります。

④離婚

50歳代くらいになると、若かった頃のように仲良し状態が継続している夫婦は少なくなります。熟年離婚が増えているのも現代の傾向です。では夫、あるいは妻に愛想がつきていよいよ別れましょう、となった場合でも夫婦ペアローンは離婚できません。互いが相手方に連帯保証を負っているからです。

都心部のマンション市場も安心できない

牧野知弘『50歳からの不動産 不動産屋と銀行に煽られないために』(中公新書ラクレ)
牧野知弘『50歳からの不動産 不動産屋と銀行に煽られないために』(中公新書ラクレ)

このように夫婦ペアローンは始まりこそよくとも、世の中の変化、仕事の変化、そして家庭内の変化によって大きく左右される「恐怖のローン」に転じるリスクがあります。とくに55歳夫婦にとってリストラや健康、離婚はかなり身につまされる話なのではないでしょうか。

こうした状況に陥った場合、解決手段はひとつだけ。売却です。売却額が取得額を超えていれば難を逃れることは可能ですが、問題はマーケットが崩れている場合です。現在マンションマーケットは堅調ですが、今後はわかりません。人口が集中する都心部でさえ、今後は多死・大量相続時代を迎えます。ペアローンのリスクを低減するには借入額で背伸びしすぎないこと、早めに期限前返済をしていざというときに慌てないようにしておくことです。

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