金利上昇で返済額が跳ね上がる

タワマンはみんなの憧れ。資産価値も高いとされるので、重たいローンを背負っても大丈夫。自分たちの年収も年齢がかさむにつれて上がっていくはずだから、負担感も徐々に軽減される。いざというときには売却すれば問題はない。タワマンに限った話ではないですが、都心マンションを購入するパワーカップルの頭の中はだいたいこんな感じです。

ただ50歳代からのペアローンについては少し気を付けなければいけない点がいくつかあります。

①金利の変動

固定金利で調達した場合は別ですが、現在住宅ローンを組む人の約8割が変動金利型ローンを組んでいます。このローンは日銀の政策金利に連動します。つまり日銀の金融政策が変わると大きな影響を受けることになります。したがってローン期間中に政策金利が上昇していく可能性が高い場合、将来の返済額が跳ね上がるリスクを内包しているのが変動金利型住宅ローンなのです。

ちなみに先述した年収1500万円のパワーカップルが限度額いっぱいの9400万円を35年元利均等返済で借りていた場合、金利が1%上がる効果は月額で5万円、年額で60万円もの負担増となります。55歳の多くは残念なことにこの先年収が増える見込みがありません。生活物価の高騰に加えて返済額がアップする事態に耐えられるか要注意なのです。

金利上昇は夫婦ペアローンに限った話ではありませんが、夫婦共働きだから大丈夫と思って目いっぱいローンを組んでいると金利の上昇はローン金額が膨らんでいるがゆえにかなりの負担増となることを知っておいたほうがよいです。

借りた時には会社の経営が安定していても…

②リストラ

どんな大企業であっても未来永劫続いていくものではありません。かつては誰しもがうらやむ企業であっても、産業構造の変化、社会の変化などで会社自体の存続が危うくなるところもあります。業績不振が続くと人員のリストラが始まります。具体的には待遇を下げる、早期退職者を募集するなどです。

ビジネスマンの退職と退社
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借りた時には夫婦とも勤務する会社は万全の経営状況であっても、その後の会社経営リスクに晒された場合、どちらかの年収が激減してしまうことになります。夫婦どちらかだけが借りていれば、片方のリスクを他方が補うことができますが夫婦ともに思い切り背伸びをしているとリスクを回避することが難しくなります。

50歳を過ぎるとリストラの対象にいつなんどきなってしまうかもわかりません。ペアローンのリスクはこんなところにもあるのです。