手広いが“コメ・肉”依存の「松屋」

かつラーメンは、「値上がりランキング」の他の料理(牛丼・ドーナツ・ハンバーガーなど)と比べてチェーンストアによる寡占が進んでいない。世間的にラーメン業界は倒産・採算悪化などの淘汰が進んでいるものの、薄利多売の象徴として早々にDX化・省力化のかぎりを尽くしてきた牛丼チェーンのノウハウを活かせば、利益も獲れて、うまく行けば“業界の勝ち組”を目指せる。牛丼チェーン店にとってラーメン業態は、意外と狙い目に見られているからこそ、参入が相次いだのだろう。

それにしても、飯に肉をかけただけの牛丼が、実は「肉を煮込む鍋がAI/IoT技術で繋がって一定の味をキープ」「AI活用で仕入れのムダ削減」といった工夫によって、ワンコインで食べることができている、と想像する人はいないだろう。今どきの牛丼店は、他にも応用が利くDX化・効率化の塊なのだ。

「松屋」の牛めし
筆者撮影
「松屋」の牛めし
「松屋」のシュクメルリ定食。大ヒットした
筆者撮影
「松屋」のシュクメルリ定食。大ヒットした

なお松屋フーズの場合、業態がしっかり多角化されているために、別にラーメンに頼らずとも……と思いがちだが、「松屋」の定食・カレーだけでなく「松のや」(揚げ物メイン)「マイカリー食堂」「ステーキ屋松」など、どれも「コメと肉」に依存している。手広い割に経営リスクが分散できていないからこそ、採算悪化のリスクがある牛めしに次ぐ2番手・3番手の柱として、ラーメン店を傘下に収めたのだ。