社会への影響力でも逆転

量の変化は質にも及ぶ。例えば総務省の調査データでは、「情報源としての重要度」でテレビは10年前と比べ11ポイント落ちた。また「いち早く世の中の出来事や動きを知る」ために「最も利用した」との回答でも、テレビは36.1%でインターネットの61.0%に大きく後れを取った。

こうした変化が影響力で顕著だったのが選挙報道だ。例えば5年前はテレビが優位で、ネットは補助的存在に過ぎなかった。候補者の間でもSNSを手掛けるのは少数派だった。ところが2024年にはXをやる候補者は9割を超え、SNS選挙が本格化した。

一方テレビ報道は中立性重視から政治報道が減少し、“その空白”をSNSが埋めるようになった。「候補者の本音」「政策説明」「切り抜き」動画が爆増し、政治情報の入手ルートがテレビからネットへ移った。結果として投開票日の出口調査でも、最も参考にしたのはマスコミよりSNSや動画という回答が上回った。明らかに社会への影響力で、決定的な変化が生じていたのである。