※本稿は、西岡壱誠『子どもの地頭が育つ後悔しない子育て』(総合法令)の一部を再編集したものです。
「すいか」を「西瓜」以外の漢字でどう書く?
学習の本質とは? 学ぶとは、本来「知らないことに向き合うこと」です。答えが見つからないときにどうするか。ここに学びの核心があります。不正解がないクイズを出しますので、挑戦してみてください。
この問題の答えは、なんでもいいのです。
「なぜ、自分はその漢字を選んだか」を考えられれば、正解となります。考える力がある人は、いったん立ち止まることができます。
たとえば、「すいか」は水分の多い果物だと想像した人は、「水果」と答えるかもしれませんし、酔うほどにおいしい夏の食べ物だと想像した人は、「酔夏」と導き出すかもしれません。緑の果物だと考えた人は「翠果」、甘くて吸うような夏の果物だと感じた人は「吸甘」「吸果」「吸夏」など、派生していけます。
答えを、ただ正解として受け入れるだけでなく、「自分ならどう考えるか?」と、自由に想像してみる。そこに、学びの広がりがあります。
「すいか」の独自の漢字は、どれも正解ではなく「納得できる自分の答え」です。
立ち止まり、自分で考え、予想して、仮説を組み立てていく。正解が一つとは限らない問題に向き合い、自分なりの答えを探し続ける力は、子どもが大人になり社会に出てからの仕事の場面でも、人間関係でも、人生の壁にぶつかったときでも、「自分で道をきり拓く力」として活きてきます。
「飢餓感」が成長に欠かせない
人が成長するうえで欠かせないものは、足りなさを埋めようとするエネルギー「飢餓感」です。「もっとできるはず」「ほかの方法があるはず」と、求める気持ちが自分の思考力を次の段階へと押し上げてくれます。
それは、自分なりのヘンな語呂合わせの覚え方だったり、好きな歌に合わせてリズムよく覚えたり、絵を描いてイメージで覚えたりするなど、独自の勉強法に現れます。
今の子どもたちが学校で受けている学習は、参考書などに最初から完璧な「まとめ」や「要点」が与えられ、“考える余白”が少なくなっています。
思考とは、迷ったり、試したり、失敗したりするなかでしか育ちません。ああでもない、こうでもないと頭のなかで組み立てながら、少しずつ前に進むことが、脳を働かせ、自分で考える力を育てていくのです。



