このように手帳というのは、単に予定やメモを書き込むだけではなく、やるべきことを教えてくれたり、やる気や元気を与えてくれたり、過去と現在の橋渡しをしてくれたりする、とんでもない可能性を秘めた道具なのです。そういうことをわかっている人は手帳を大事にするし、見た目や材質にこだわるのも当然だといえます。
自分の手帳に愛着がある人が年収1200万円以上では73.7%、同じく手帳の外観にこだわっている人が47.1%と、ともに400万円台より10ポイント以上高い割合を示しているのは、年収が高い人ほど手帳を軽々しく扱っていない、つまり、手帳が仕事や人生と深く結び付いているからです(図27・28)。
毎年決まった手帳を使っている人が年収400万円台55.6%に対し同1200万円以上では69.7%と14ポイントも多い(図29)。これも年収の高い人ほど手帳を重要なツールとみなしているからだといえそうです。新しい手帳が自分に合わなければ、それは少なからず自分の生産性に響いてくるので、そのリスクを考えたら使い慣れた手帳のほうがいいというわけです。ちなみに私は10年以上同じものを使っています。
財布より手帳を失くしたときのショックのほうが大きい人の割合が、年収1200万円以上35.8%に対し、同400万円台23.2%と、10ポイント以上高収入層のほうが高いというのも、同じように説明できます(図30)。
仕事ができる人ほど時間をかけてさまざまなことを書き、使い込んでいる。そんな手帳には、お金に替えられない価値が宿っているのです。