「主観」と「ネタ」が入り混じる表現

これ、当時の読者も「いや、知らんがな」と思ったのではなかろうか。記者の服装なんて誰も興味ないし、そもそも取材対象が「日本の衣服を着ている」というのに、わざわざ、家に帰って洋服に着替えたとか、やってることがいちいちおかしい。

そして、出迎えた八雲は当然浴衣姿。しかも記者が洋服なので座布団には座りにくいだろうと、椅子をすすめて自分は浴衣のまま座布団に坐って話をしはじめた。ここで、記者はこう記している。

然らば態々洋服を着換えざりしものと後悔したり

これ、絶対わざとやっている。記者がマヌケなことを繰り返して読者を笑わせようとしているとしか思えない。主観込み、ネタ込みで書くこのスタイル。「松江日報」は想像以上にエンタメに振り切った新聞だったのかもしれない。