タイム・マネジメントの第1世代は実行だけに着目し、第2世代で計画を立てるようになり、そこに目標を入れ込んだのが第3世代である。それに対し、第4世代のタイム・マネジメントは目的を考え、役割のバランスをとって相乗効果を発揮し、P/PCバランスを意識して再新再生を継続していくことに大きな違いがある。
そして第4世代のタイム・マネジメントに必要なマインドセットとスキルセット、ツールセットをまとめたものがタイム・マネジメント4.0である。次に、その主な内容について見ていこう。
タイム・マネジメント4.0の土台になるのは「目的」である。
目的を考えるには「ニーズ」「才能」「情熱」「良心」の4つの側面から検討する必要がある。すなわち、自分の周囲にニーズがあり、自分自身にそれを成す才能ややりたいという情熱があって、良心が成すべき正しい事柄であると語りかける領域が重なった場所(図1)。そこに自分自身が目指す方向性がある。
このフレームから良心を除くと、よくキャリアプログラムで使用される「must, can, will」と同じで、ニーズがmust、才能がcan、情熱がwillにあたる。
もし世の中のニーズと自分の情熱が揃っていても才能がなければ絵に描いた餅で終わってしまうし、情熱と才能があってもニーズがなければ完全に独りよがりである。ニーズと才能があってもやりたい情熱がなければ、完全な受け身に陥ってしまうだろう。
ところがほとんどの人は、自分自身の方向性を決めるときにwillしか考えない。他者から刺激を受けて「自分もやってみよう」と思い立つのはよいのだが、本当にニーズがあり、自分自身にその才能があるのかどうか、才能が足りないのならそれを身に付けていく強い情熱があるのかを考えない。これではやりたいことを成功させるのはむずかしい。
また、良心の側面から目的を検討するというのは、ニーズ、才能、情熱を踏まえたうえで、それが成すべき正しい事柄かを良心に問いかけるということである。