目標を立ててブレークダウンし、将来の目標のために今日はこうあるべきだという方法は非常に能率がよい半面、やる人にプレッシャーを与える。そのため多くの人にとって目標を達成するためのツールが「やらなければいけないことリスト」になり、結局実行できなくて第2世代に退行していく。そんな『7つの習慣』が鳴らした警鐘は、いまでもそのまま通用するだろう。
なぜ、そんなふうになってしまうのか。この問題を解決していかないと、私たちが目指したい方向に向かって進むためのマネジメントはできない。第4世代のタイム・マネジメントはこの問題を解決するものだ。
そのポイントはいくつかある。1つは、目標の前に「目的」を置いていることだ。目標であるWhatの前に、目的である「なぜそれをやるのか?」というWhyが自分自身のなかに根づいているかどうか、目標が自分自身の価値観ときちんと結びついているかどうか。ここが最も大切である。
たとえば目標として「年収1000万円になる」と決めて実行すべき事柄をブレークダウンし、今年はここまでやろうと決めても、それを果たせるのはごく一部の人に限られる。しかも、その限られた一部の人が「私はこうやって成功した」と喧伝しても、それを真似た大半の人が目標を達成できないということが繰り返されていく。
正月に1年の目標を立ててみたものの、3日坊主で終わった経験は誰しも身に覚えがあるだろう。目標を立てただけで達成できるのは、一部の確固たる意志の持ち主のみで、投げ出す結果に終わるのが普通なのだ。
しかし「なぜ年収1000万円になりたいのか?」とその目標が本当に自分自身の価値観と結びついているかどうかを明確にしていくと、その目標が本当に挑戦すべきことなのかがはっきりわかる。もし、自分の価値観に照らして挑戦すべき目標であると腹オチできていれば、その後の決意の強さも大きく異なってくる。