レストランサービス価格の高騰が続いている

そもそも、ドイツでなぜ飲食店が苦境に直面したかというと、その主因は歴史的な食品価格の高騰があったと考えられる(図表2)。ドイツの消費者物価は、コロナショック後の2021年に入ってから上昇が徐々に加速したが、その頃はまだレストランサービスの価格や食品価格の上昇も、消費者物価全体のトレンドとほぼ連動していた。

【図表2】ドイツの消費者物価

この傾向は、2022年2月、つまりロシアがウクライナに侵攻したことで大きく変化する。つまり、食品価格の急騰が始まる。ウクライナやロシアから飼料に使う穀物の供給が急減したこと、ヒマワリ油やナタネ油といった食用油の供給が急減したこと、作物の栽培に用いる肥料の価格が急騰したことなどが、食品価格の高騰につながった。

一方で、レストランサービスの価格が急上昇するのは2023年以降のことである。オラフ・ショルツ前首相が率いた当時の左派連立政権は、主にインフレ対応という理由で最低賃金を積極的に引き上げるなど、国民の所得の引き上げに躍起となっていた。その結果、レストランの従業員の給与が急増し、サービス価格の急騰につながった。