目の角度や涙袋、まつ毛の量まで調整できる
2015年頃からは、目以外のパーツにもこだわりを持てるようになり、小顔効果、髪質などの仕上がりのクオリティも向上する。現在は、顔全体にレタッチを施させるため、目の角度や涙袋、まつ毛の量などもバーで細かく調整できる。こうした加工も、榎本氏がこだわったきれいな写りがベースにあるからこそ生きてくる。
女子高生の心をつかむ3つの秘訣
プリントシール機が30年もの間愛される理由として、フリューは「若年層の欲求を時代に合わせた変化で叶え続けてきたから」だと捉え、3つの理由を挙げる。
1つは「自己肯定感」だ。プリントシール機は「盛る」ことにより、なりたい自分になれる。2つ目は「自己表現欲求」だ。プリントシール機ではポーズを考えて撮影したり、文字やイラストなどを配置したりとさまざまな手法で自分を表現できる。3つ目は「つながりたい欲求」だ。プリントシールを撮影する体験、シールや画像を共有する「ウチら感」が大事だという。
しかし、それぞれを細分化して具現化するためには、ニーズをしっかり把握する必要がある。プリントシール機のシェアの90%をフリューが占めるようになったのは、年に300回以上実施している女子高生への入念なヒアリングの結果だ。
「つねにユーザーインタビューを行い、開発機に微調整を加えている。以前は、私自身も発売前の機種をアミューズメント施設に持って行って組み立て、テストしてもらってアンケートを取り、ユーザーの反応を見ていた。今は弊社に毎日のように女子高生が訪れ、全国に39店舗(2025年3月末時点)ある直営店『girls mignon(ガールズミニョン)』のネットワークも活かしながら、多くの意見を聞いている。コロナ禍ではオンラインでもミーティングを行っていたが、実際に撮影してもらうのに対面が最適だ」(榎本氏)



