既婚女性は40代前半がボーダー
一方、有配偶女性(図表5)では様子が異なります。
39歳以下では正規が非正規を上回っていますが、40歳以降ではいずれも非正規が多くなっているのです。
つまり、若い既婚女性は正規が中心、40歳以降では非正規が中心という世代ギャップが非常にはっきりとあらわれています。中高年の既婚女性は、出産期に現在ほど両立支援策が充実しておらず、結果として正規を続けられなかった可能性が高いと考えられます。
この中でも注目すべきは、40〜44歳の既婚女性です。
この層では、正規と非正規の差が急速に縮小しています。2025年1月には正規と非正規で約23万人の差があったのですが、同年9月には差が9万人まで減っています。
現状では非正規が多いものの、近い将来、40代前半の既婚女性でも正規が多数派になる可能性が高いと言えるでしょう。
なぜ逆転現象が起きたのか
これまでの結果を簡単にまとめると、以下の4点となります。
① 49歳以下ではすでに正規優位
② 未婚女性は64歳以下のすべてで正規が多数派
③ 既婚女性は39歳以下で正規優位、40歳以上は非正規が中心
④ 40〜44歳の既婚層では差が急速に縮小し、近く逆転の可能性も
これらの結果が示すように、「女性は非正規が多い」というこれまでのイメージは、もはや実態とズレ始めているのです。より正しくは、「中高齢層では非正規が多い」だと言えるでしょう。
では、なぜこうした“正規と非正規の逆転現象”が起きているのでしょうか。背景には大きく2つの流れがあります。

