野菜サラダは何をかけて食べればいいのか

さて、ここで改めて『糖尿病』に掲載された論文に注目していきます。「野菜サラダ」という表記にはもう一つ重要な意味があります。

論文中のサラダには、オリーブオイルと酢を使ったドレッシングが添えられていました。オリーブオイルには脂質、酢には酢酸が含まれています。つまり、黄金トリオ(タンパク質・脂質・酸)のうち、2つを同時にとっていたことになります。

八木雅之『老けない食べ方の新常識』(三笠書房)
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つまり、血糖値の上昇を抑えたのは野菜だけではなく、ドレッシングの作用が大きかった可能性が高いのです。

その後、私たちは、ドレッシングの種類によって血糖値にどのような違いがあるのか、検証された論文を見つけました。

白ご飯100g(おにぎり)と、キャベツとレタスを使ったサラダ100gに、ドレッシング15gを加えて比較したところ、興味深い結果が出ていました。

健康志向の人がよく選ぶノンオイルの青じそドレッシングを使った場合、血糖値の抑制効果は10mg/dLにとどまりました。

これに対して、ゴマドレでは20mg/dL、マヨネーズでは30mg/dLも血糖値の上昇が抑えられました(図表1)。

ただし、マヨネーズは中性脂肪が上昇してしまう、という別の問題が現れました。

野菜サラダにはゴマドレがベスト

この結果から、ベストな選択はゴマドレといえるでしょう。

ゴマドレは、ゴマに含まれるタンパク質、油(脂質)、そして酢(酸)で構成されており、黄金トリオをすべて満たしています。しかも、原料として使われるゴマや醤油、味噌、酢にはアミノ酸が含まれています。これによってアルデヒドトラップを期待できるのです。

サラダにドレッシングをかける人の手
写真=iStock.com/Tyas Indayanti
※写真はイメージです

過去には「キャベツを食前にたっぷり食べるとダイエットに効く」という健康法も流行しました。しかし、食事の最初に皿いっぱいのキャベツを毎回食べるのは、けっして楽しくはなく、飽きてしまいます。実際に私たちは「チャレンジしたけれど、続かなかった」という相談を多数受けました。

どんなによい健康法も、苦に感じれば続きません。継続には「楽しい」「おいしい」という感情が不可欠。そのためには、方法を1つに絞らず、その日の気分にあわせて変えられることが大切です。食前にヨーグルトを食べたり、サラダにゴマドレをかけたり、いくつか方法を持っておくと、老化予防を効果的に実践できます。

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