ヨーグルトの透明な液体「ホエイ」の効能

さらに、ヨーグルトにはもう一つ、老化予防によい理由があります。

ヨーグルトには、乳酸菌がつくり出す「ホエイ」という液体が含まれます。ヨーグルトを冷蔵庫に入れておくと透明な液体が浮いてきますが、あの液体がホエイです。

ホエイを摂取すると、「インクレチン」というホルモンが腸で分泌されます。このインクレチンには、インスリンの分泌を刺激する作用があるのです。

ただ、食後高血糖が起こった際にも、大量のインスリンが一気に分泌されます。では、インクレチンの作用によるインスリン分泌と、食後高血糖によるインスリン分泌では、何が違うのでしょうか。

最大の違いは、「タイミング」と「負担」です。

インクレチンによるインスリン分泌は、血糖値が急上昇する前に、体が「準備」として穏やかに分泌する自然な反応です。少量で穏やかな分泌なので、脂肪をため込むほど強い作用ではありません。

むしろ、血糖値の急上昇を抑えて膵臓への負担を軽くし、結果的に肥満や糖尿病のリスクを下げる働きをします。

無糖のヨーグルト100~200gを先に食べる

一方、食後高血糖の際には、膵臓が急激な変化に対応するために、大量のインスリンを慌てて出している状態です。この慌てた対応が繰り返し続くと、膵臓に大きな負担がかかり、徐々にインスリンの効き目が悪くなる「インスリン抵抗性」を招くリスクが高まるのです。そのことがゆくゆくは糖代謝の低下を起こし、糖尿病へとつながっていくリスクを高めます。

では、ヨーグルトは、どのくらいの量を食べるとよいでしょうか。

1回の摂取量の目安は、100~200gです。ヨーグルトは、一般的な家庭用サイズで1パック約400g入っていますから、4分の1から2分の1の量になります。大事なのは、無糖のプレーンヨーグルトであること。ホエイも一緒に食べること。なお、加糖タイプでは効果を得られないので注意しましょう。