「歩くときに、踏み出す足のひざをいつもより1~2センチ上げるように意識します。そして、足の指先、指の付け根、かかとの3点で着地します。立ち姿勢では、ひざは伸ばしきらずに軽く曲げて、遊びを持たせることが重要です」
すると、着地が足裏全体で行えるようになり、地面からの過剰な衝撃とねじれをひざより下で吸収することができる。ひざが上がらないという人は、行進のように足踏み運動をしてから歩くといいそうだ。上半身は、背筋を伸ばしてまっすぐに。ひざを軽く曲げることで骨に頼るのではなく筋肉で体重を支えるイメージを持とう。ゆっくり歩くと逆に疲れてしまうので、適度なスピードを保って歩こう。
「自分の足に合った靴選びも重要です。靴を履くときは、毎回靴ひもやマジックテープで甲の部分をしっかり締め、足の横幅が広がらないようにすること。指先部分はしっかり踏ん張れるくらいの余裕が必要です」
ひざをゆるめて立つクセをつけよう
正しい歩行を3~4カ月ほど続けるだけでも、O脚は徐々に改善されていく。だが、「歩き方だけでなく、普段の立ち姿勢も見直してほしい」と笠原先生。
小学校で習った「気を付け」のポーズを思い浮かべ、ひざをピンと伸ばして、骨で支えるように立ってしまいがちだが、これは間違いで、歩き方同様、ひざは少し緩めて立つのが正解なのだそうだ。重心を前にし、足の指に力が入っているのを感じながら、骨ではなく、筋肉で支えるように意識して立つクセをつける。
「並行して、股関節と骨盤のバランスを整える3つの運動を行うとさらに効果的です」
1つ目は、「開脚運動」。これはよく体操選手や相撲取りが行っている股割りと呼ばれるトレーニングだ。とはいえ、開脚運動ができない人も多いだろう。その場合は、足裏を合わせて上体を前に倒す方法や、片方ずつ伸ばした足側に体を倒す方法で慣らしていくといいそうだ。