編集長が感じた「同じような問題意識」
渡辺と若宮の対談は、朝日新聞の論壇誌『論座』において行われた。若宮は2016(平成28)年に死去したが、対談の状況を詳細に知る人物が取材に応じてくれた。当時『論座』編集長を務め、後に朝日新聞の政治部長も務めた薬師寺克行だ。退職後は東洋大学教授として教鞭も執っていた。薬師寺は、靖国神社参拝問題について、渡辺が朝日新聞と近い問題意識を持っているのではと思い、対談を申し込んだという。
「小泉総理が国会で『A級戦犯は戦争犯罪人である』という認識を答弁したことがありました。それを機に、読売新聞が『A級戦犯が戦争犯罪人だと言うのであれば、靖国神社参拝はおかしい』と、参拝を批判する社説を載せたんですね。社説を読んで私は、主筆の渡辺さんの影響があったのではと思い浮かびました。読売新聞と朝日新聞は真っ向から対立している印象があったのですが、実は本質的なところは同じような問題意識を持っているのではないかと、この社説の変化で感じました。じゃあやってみようかと、読売新聞に申し込むと1、2時間後くらいにすぐ返事が来て、さすがだなと思いました」
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