「オーディション番組」の顔を持つ総裁選

朝井リョウの最新作『イン・ザ・メガチャーチ』では、推し活をテーマに、さまざまな人間模様が描かれている。作中に「オーディション番組出身のグループはどうしても、デビュー時が人気のピークになることが多い」という一節がある。

総裁選をオーディション番組と捉えれば、これは多くの日本の総理大臣にも当てはまるだろう。日本の総理大臣の支持は、総裁選をピークに数カ月で萎んでいく。総裁選は日本最大のオーディション番組であり、オーディション番組は、「物語」を生むための強い構造である。

総裁選期間中、総裁候補は各局の番組に引っ張り回され、朝のワイドショーから夜のニュースに至るまで、「誰が何票を持っているか」といった話題でメディアはジャックされる。高市氏の支持層からは評判の悪かった「オールドメディア」ではあるものの、自民党総裁が交代するたびに行われるこの「儀式」が、歴代総理の知名度を大きく引き上げてきたことは間違いない事実だ。