医療保険は本当に必要なのか。総合保険代理店の代表を務める藤井泰輔さんは「医療保険を検討する前に保険の仕組みを知るべき。実際に被害に遭ったときの損失がいくらなのか、その認識が低いと本当に必要な保険が判断できず、万一の時に困ることになる」という――。

※本稿は、藤井泰輔『正直すぎる保険の話 いる保険・いらない保険』(ぱる出版)の一部を再編集したものです。

安全な医療の概念
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医療保険に加入する前にするべきこと

TVや新聞、雑誌などの広告を見て、医療保険に興味を持ったら、さて、みなさんはどんな行動を取りますか。早速、ネットでパンフレットを請求して検討に入るでしょうか。それとも、近くの保険ショップに足を運ぶのでしょうか。

私が、生命保険を長年販売している立場からおすすめするのは、まずは、社会保険の勉強をしましょうということです。これは医療保険に関してだけではなく、死亡保障についても遺族年金などの基本を知っておくことが大切です。

医療保険を買うことから検討するのではなく、ひょっとしたら医療保険はいらないのではないかという疑問を持ち、それを解決することから始めてはいかがでしょう。

医療保険のパンフレットは、その商品の特長や必要性を謳うことを中心に作られています。医療保険のことに興味を持ったその機会を利用して少し勉強してほしいのは、毎月多くの保険料を支払っている社会保険には、いったいどんな保障が用意されているのかということです。

あなたが検討しようとしている医療保険の何倍もの保険料を支払っていながら、その中身さえ知らないのでは何事も始まりません。

健康保険は必須だが民間の保険は必須でない

みなさんは、医者にかかって窓口で支払う診療代や、処方箋をもとに薬局で支払う薬代は、高くてもそれをそのまま受け入れているのではないでしょうか。

いくらケチな人でもそれらを値切ることはしないでしょう。私でもしません。つまり、医療に関する費用は、毎月支払う健康保険の保険料を含めて、高くても致し方ないと受け入れているように思います。

そうした意識が、民間の医療保険など生命保険商品についても言えるような気がするのです。これは仕方ない出費なのだと、自分なりに納得してしまっていませんか。しかし、果たしてその認識で大丈夫でしょうか。医療費全般を聖域にしてはいけないのです。

公的医療保険や、医療を受けたときの費用は、残念ながらそのまま受け入れざるを得ない状況ですが、民間の生命保険商品を買うかどうかの判断は、みなさんに委ねられています。

生命保険会社は、彼らの商品を公的な医療保険と同じようなものとして捉えさせようとしていて、そのために莫大な費用をかけてTVCMなどを打つのです。それにまんまと乗せられてはいないでしょうか。

医療保険の契約件数が、3千数百万件を超える状況を考えると、残念ながら実際にそうなっているのが分かります。保険分野を得意とするFPや、実際に保険を取り扱っている多くのプロが、医療保険はいらないと言っているにもかかわらずです。