「生活演出型」が「目的型」をしのぐ勢い
フランフラン(Francfranc)は若者に人気の家具や日用雑貨を手軽な価格で展開している。必需品ではないが、「あったら楽しい」商品の品揃えにより、明確な目的のない人たちの取り込みにも成功している。これに対して東急ハンズに行く人は「何を買うか」明確な目的を持っている。品揃え豊富なハンズ、誰にも手が届き、楽しく買えるフランフランという対比だが、いずれも高評価である。
その意味では茨城県のジョイフル本田に注目したい。これまでホームセンターは「目的型」の店舗ばかりだったが、同社は「生活演出型」。商品知識の豊富な販売スタッフを揃え、売れ筋の商品だけではなく、暮らしに彩りを添えるアイテムも幅広く扱っている。たとえば庭園コーナーでは本格的な日本庭園をつくる苔や石まで揃う。「面白そうだ」と思わせる売り場づくりが高評価につながった。
家具は少ない投資で快適な住まいが手に入るイケア(IKEA)の評価が高い。
衣料品では安さを売りにするしまむらに対し、ユニクロの売りはもう安さだけではない。接客で専門店のユナイテッドアローズを上回っている点には注目したい。青山商事の運営するザ・スーツカンパニーはシンプルな選びやすさとおしゃれ感が好感されている。再訪・紹介意向はともに高く、集客の成功事例である。
ヤフーバリューインサイトに調査を依頼。20歳以上~70歳未満の会員のうち1000人から回答を得た。調査期間は2008年1月28~29日。編集部で選定した223の有名企業・ブランドについて満足度と重視点は3段階、再訪意向と紹介意向は2段階で尋ね、100点満点に換算した。総合点は重視点を反映させており5項目の和と一致しない。サンプル数5件以下の企業は掲載を見送った。
(中村尚樹=構成 ライヴ・アート=図版作成)