部下に厳しい人事評価を伝える時にはどのように伝えるべきなのか。編集者の藤吉豊さん、小川真理子さんが書いた『「リーダーシップのベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)から紹介しよう――。
部下を評価する
Point「評価でチームを育てる」
1 公平性と透明性をもって評価する
2 評価の伝え方で部下のやる気と成長を促す
3 部下一人ひとりをしっかり見て評価する
1 公平性と透明性をもって評価する
2 評価の伝え方で部下のやる気と成長を促す
3 部下一人ひとりをしっかり見て評価する
リーダーが評価にどう向き合うかによって、チームの信頼と成長の方向性は大きく変わります。
評価は、部下の未来を左右するリーダーの大切な仕事です。信頼を育て、成長を促すためには、公平性・透明性・判断力を備えた“評価軸” が欠かせません。
評価の種類や重視するポイントは組織によって異なります。おもなものとして次の3種類があります。
評価の種類
①業績評価(成果評価)
売上や達成度などの結果を評価する。
②能力評価
問題解決力やリーダーシップ・専門性などのスキルや知識を評価する。
③情意評価(態度・姿勢)
責任感・協調性・勤怠・チャレンジ意欲など仕事への姿勢を評価する。
評価をする目的は、
● 業績改善
● 動機づけ
● 業績に報いる
● 仕事の査定
● 昇給の妥当性を裏づける
などです。
評価はリーダーを悩ませる仕事のひとつです。
「人を見て、差をつける行為」であるため、人間関係に影響を及ぼし、部下のやる気にも影響します。また、部下の昇進・異動・報酬・キャリア形成のすべてに直結します。
100冊のリーダー本には、評価する際に意識したい3つの視点が書かれていました。
評価は「正直に、オープンに、公平に」
評価する際の3つの視点
(1)判断の公平性
(2)評価の伝え方
(3)評価の基本姿勢
(1)判断の公平性
(2)評価の伝え方
(3)評価の基本姿勢
ここからは、この3つの視点を順番に見ていきます。
1 公平性と透明性をもって評価する
スタンフォード大学の心理学者、スティーヴン・マーフィ重松さんは、次のように述べています。
「大切なのは、リーダーはオーセンティックを貫くこと。すなわち、『正直に、オープンに、公平に』成果を評価することだ」(『スタンフォード式最高のリーダーシップ』/サンマーク出版)
評価に対する不信感は、チームのやる気と関係性を壊し、チーム全体の成果に影響する可能性があります。
不信感はチームの全体の成果に影響する
不透明・不公平な評価
↓
部下が不信感・不満を抱く
↓
やる気が下がる・空気が悪くなる
↓
チームの成果が落ちる
リーダーには、公平に、そして透明性をもって評価する覚悟が必要です。公平性や透明性を担保するポイントは次の3つです。

