労働時間は減ったのに、メンタル不調は激増

2024年のOECDデータによると、日本の年間平均労働時間は約1617時間で、38カ国中22位、OECD平均の1736時間を下回る。しかし、この改善は生産性向上には結びついていない。

生産性が向上しないこととの関連が指摘されるのは、精神障害の労災請求件数が2019年の2060件から2024年の3780件へと、わずか5年間で1.8倍に急増していることだ。厚生労働省によると、精神障害の労災認定の主な原因は「上司などからの身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメント」で224件を占めている。労働時間は減っているのに、なぜ人々は精神を病むのか。ひとつは、依然として力づくのマネジメントを続ける「上司」の未熟さだろう。