松下幸之助や稲盛和夫らを成功に導き、大谷翔平も学んだ哲学者・中村天風。彼に直接指導を受けた電気通信大学名誉教授の合田周平さんは「天風哲学の基本は、まず心身を安定させ、正しい呼吸を行うことに始まる」という――。

※本稿は、合田周平・べじこ『マンガ 人生がプラスに変わる中村天風のことば』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。

日没時に岩の上に座ってヨガをするシルエットの男
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身体は、自分のものではない

我々の「意志の力」は、それぞれの「精神活動の場」=「心」により育まれます。

我々の「心」は、宇宙にみなぎるエネルギーの基盤である「氣」が、自然界に「生命現象」を発現し活性化したことで誘発されたものと考えられます。

宇宙の「真理」とは、この壮大なるダイナミズムの営み自体の中に存在しているとみられ、その営みとともに我々は生存しているのです。

「心の使い方」という独特な表現を天風先生はされていますが、まず第一に人間の心は命を活かすための道具だということわりを説かれています。

このことに全く気がつかないでいる人が多いとも言われています。では気がつかないとどうなるかというと、我々は結局「心という道具に使われてしまう」のです。

あなたの身体は「洋服」と同じ

心というものは、熟練した技師が、精巧な機械を手足の如く動かすように使わなければいけないものなのです。こうして初めて、心をもつ人間としての真価を立派に発揮できるのです。

本来の人間として生きるためには、まず我々の身体を自分だけのものと思わないことです。身体は自分のものではありますが、「身体=自分」ではないのです。

ちょうど、あなた方が身体に着ている洋服と同じものなのです。身体は本当の自分である生命が着ている、一代限りの洋服なのです。

身体というものは、自分を活かすために必要な社会的な自己実現のスタイルにすぎないのです。

それを、身体に病が出たり、運命に非なるものがあると、すぐ身体が自分だと思ってしまう。なぜ大きな間違いを平気でするのかというと、心の状態が強く積極的ではないからなのです。

心が積極的でないと、どうしても心が身体本位に働くような状態になってしまう。つまり、心が身体に使われてしまうのです。

【マンガ】「身体は、自分のものではない」と天風は説く
「身体は、自分のものではない」と天風は説く[出所=『マンガ 人生がプラスに変わる中村天風のことば』(幻冬舎新書)]
天風のことば
ああそうだ!
わが生命は 神仏の生命と通じている
神仏の生命は 無限である
不機嫌なるものや 不運なるものは
神仏の生命の中には 絶対にない
そして その尊い生命の流れを受けている
われは また完全で 人生の一切に対して
絶対に強くあるべきだ