胃もたれを生むのは「朝軽く、夜ガッツリ」
胃を疲れさせないために、まずは人体の消化の仕組みを知っておきましょう。正常な胃は、胃の入り口・噴門から入った食べ物をリズミカルに運動しながら消化します。そして胃の出口・幽門から十二指腸に送り出すのです。
ところが食べすぎで噴門から次々に食べ物が胃に入っていくと、胃の許容量を超えてしまいます。消化が追いつかず、胃の運動もうまくいかず、幽門の手前に食べ物が溜まってしまう。この消化不良により食物が胃に長時間留まることで、お腹の上部の不快感やお腹の膨満感を引き起こしている状態が「胃もたれ」です。胸焼けや胃液の逆流、嘔吐の前に起こる吐き気を指す悪心や嘔吐そのものも、胃もたれの症状に含まれます。これとは別に胃の中が空になり、胃酸の影響で胃粘膜が荒れて起こる胃もたれもあります。
特に飲み会が続くとき、胃もたれを感じる方が多いのではないでしょうか。それはアルコールが胃に刺激を与えるので、急に食べ物をたくさん摂取してしまうためです。また、飲み会の席で出てくることが多い揚げ物や一部の消化時間が長くかかる糖質にも、注意を払う必要があります。
食べ物は、それぞれ胃に留まる時間が異なります。同じ100グラムでも、鯛の刺し身や半熟卵、食パンは2時間です。餅、生卵だと2時間半ほど。胃もたれを起こしやすい食べ物は、胃の滞在時間が長い高脂肪、高たんぱくの食事です。例えば、牛すき焼きは3時間。100グラムのビーフステーキや天ぷらは4時間もかかります。半熟卵と比べると倍の時間で、いかに長いかがおわかりになるのではないでしょうか?
また、年齢とともに消化機能が老化し、多くの方で少しずつ萎縮性胃炎が進むことも覚えておいてください。そうすると消化に必要なペプシンの分泌量が減ります。若いころと比べて同じ量を食べても消化が遅くなり、胃もたれが起きやすいのはこのためです。
誰しも胃もたれは避けたいでしょう。まず、食べすぎが最大の原因ですから、食べる量を減らすのは最も効果的です。次に胃などの消化系を健全に保つため、規則正しい毎日のリズムを保つ【時間栄養学】を意識してもらえるといい。
その1つ目として「摂取時刻」の話をします。まず、朝食、昼食、夕食は必ずとります。朝食は軽くか「なし」、昼食は中ぐらい、そして夕食にどっと食べる。こんな食事の人が多くなっていますが、夕食の偏重は胃もたれにつながりやすく、肥満の大きな原因にもなります。胃に長く留まる天ぷらや揚げ物を食べるにしても、朝昼晩に分けて、いっぺんにたくさんとらないようにするのが大事です。また、油を酸化しにくいオリーブ油にする工夫もできます。
そして21時以降の夜食を避けるようにする。仕事や塾などで帰宅するのが21時を過ぎてしまう人もいるでしょう。その場合は18時ごろに、栄養バランスのよいサンドイッチやおかずが付いたおにぎりなどの軽食をとるようにします。そして21時からの自宅での食事は、しっかりと料理したものではなく、冷蔵庫にあるちょっとしたものにするのです。
2つ目は「摂取速度」。適度な量の食べ物をゆっくり噛んで摂取し、胃への急激な負担や血糖の急騰を避けるようにします。よく噛んで食べるのはとても基本的なことですが、忙しい方はできていないのではないでしょうか。
3つ目としては「摂取順序」があります。パンや白米は糖分が多いため、食事の最初に摂取すると血糖値の急騰をもたらします。そのため野菜やお肉などを先に食べた後にするといい。割烹料理店のコースでご飯ものは最後に出されますが、やはり健康によい食べ方なのです。
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