改革色を封印している小泉氏

国民人気も高く、下馬評では最も可能性が高いとされる小泉氏を大きく引き離した。小泉氏はもともと安倍内閣を支えた菅義偉元首相に近く、アベノミクスの改革路線の継続を標榜していたが、今回の総裁選では改革色を封印している。父親が「痛みを伴う改革」を訴えて国民に受け入れられたのとは大きく異なり、今や国民に負担を許容する余力がなくなったという見方が強まっていることが背景にあるのだろうか。

もともと自民党の支持層は一定の資産を持っている人が多いと見られてきた。自民党総裁選は、党員と自民党議員による選挙で、一般の有権者が投票するわけではない。ひと昔前なら、株価が大きく下がると、苦情の電話が支持者から議員の事務所に入り、自民党議員が党本部で株価対策を求めることがしばしばあった。

株価が上昇して資産価値が増えれば、財布の紐が緩んで高級品などを消費する「資産効果」が言われたものだが、自民党の党員に株高政策が受けなくなったのだろうか。それとも、テレビの向こうの党員ではない有権者の批判を恐れて、より庶民を意識した政策を口にせざるを得なくなっているのか。