企業の「真の実力」を測る指標

筆者が考える小売業界の真の実力を測る指標、それがROA(Return on Assets=総資産利益率)である。ROAは「営業利益÷総資産」で計算され、企業が保有する資産をどれだけ効率的に使って利益を生み出しているかを示す(※ROAは通常、純利益を用いることが多いが、本稿では各社の実力を示す観点から営業利益を用いている)。単なる売上規模や利益総額ではなく、資産1円あたりの稼ぐ力を明らかにする点で、経営の質を可視化する強力なレンズとなる。

小売業は資産集約的な産業である。店舗、在庫、物流センター、そして場合によっては金融・不動産まで抱える。だからこそ、資産の持ち方がそのまま効率性を左右し、利益率の厚みと組み合わせてROAが決まる。言い換えれば、ROAとは「利益の厚み」と「資産の軽さ」を同時に映す鏡なのである。

ROAは数式で表すと、ROA=営業利益率×総資産回転率となる。ここで営業利益率は「売上高に対してどれだけ利益を残せるか」、総資産回転率は「資産をどれだけ効率的に売り上げに変えているか」を示す指標だ。