変わり果てたAさんの遺体を発見

Bさんからの通報を受けた北海道警察はヘリコプターを派遣して山中に残された約70名の登山客を救出する一方で、ハンターとともにAさんを捜索したが、この日は日没によりやむなく中断した。翌日早朝からの捜索では、まずAさん名義のカードの入った財布や血痕のついた衣類の一部などを発見。そして13時すぎ、被害者をくわえて、引きずりながら移動する母グマと2頭の子グマを捜索隊が見つけて発砲し、その場で3頭とも捕殺した。その捕殺現場付近で、変わり果てたAさんの遺体が見つかったのである(死因は全身多発外傷による失血死と公表された)。

その後のDNA鑑定により、この11歳の母グマがAさんを襲撃した個体であると断定された。これが今回の事故をめぐる一連の経緯である。

ヒグマが人を襲う4つのパターン

ヒグマは本来、臆病というよりも慎重な動物である。人間の存在を感知すれば、基本的にはヒグマの方で回避行動をとる。そのヒグマが人を襲うときは必ず理由がある。

(伊藤 秀倫)
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