確かにロシアから原油を買うのは西側にとって好ましいことではない。だが、インドがロシアから原油を大量に購入するのは、経済制裁下で価格が大幅に割引されているからだ。市場原理に基づいた合理的な取引ともいえる。「(戦争に便乗した)裁定取引」を非難するベッセント自身、ヘッジファンド時代にはその手法で莫大な利益を上げたはずだ。

トランプがインドに対して強硬姿勢を強めたもう一つの理由は、4月に起きたインドとパキスタンの小規模な武力衝突だ。国境地帯のカシミールでパキスタンの武装勢力によるテロ事件が発生し、インド人観光客26人が死亡したことで、2つの核保有国の間で緊張が高まった。

当記事は「ニューズウィーク日本版」(CCCメディアハウス)からの転載記事です。元記事はこちら
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