不労所得が得られることで人気の不動産投資。ファイナンシャルプランナーの藤原久敏さんは「現物不動産は高い収益性などの魅力があるが、実際、営業マンに話を聞いてみると、イメージが変わった」という――。
不動産取引に関する書類を説明する業者とそれを聞いている顧客
写真=iStock.com/ArLawKa AungTun
※写真はイメージです

現物不動産投資に手を出さない理由とは?

株式、債券、投信信託、FXなど、これまでさまざまな投資に手を出してきた私ですが、いまだ、ワンルームマンション投資や戸建て物件投資といった、「現物不動産投資」には手を出していません(出せていません)。

これは、現物不動産投資に興味がないからではありません。むしろ、優良物件の安定した賃料からの高い利回り、そして値上がりによる莫大な売却益が見込める収益性には、非常に魅力を感じています。そして何より、不動産オーナーとの響きには、大いに惹かれております。

ではなぜ、現物不動産投資には手を出していないのか……それは、「一点ものゆえの怖さ、そして業者への不信感」です。

利回り10%超の、格安中古物件も

そんな私ですが、かつて、現物不動産投資をやってみようと、いろいろとリサーチしていたことがありました。

当時、「サラリーマンの副業としてのワンルームマンション投資」が注目され、ちょっとした不動産投資ブームだったこともあり、都心の利便性の高い新築マンションや、地方の格安中古マンションなど、多くの物件が出回っていたのでした。

そこで目を付けたのが、たしか札幌郊外にある500万円程度の格安中古物件、そして利回りは10%程度。これなら借金しなくても、なんとか自己資金で購入できそうだと、そして利回り10%はスゴイぞと思い、さっそく仲介業者にコンタクトを取ってみたのでした。

不動産投資業者と会うのは初めてだったので、かなり緊張、そして警戒していたことを覚えています。

こちらの勝手な先入観で、若い、チャラい営業マンがガンガン押してくると身構えていたのですが、担当者は比較的年配の男性、落ち着いた雰囲気で、物腰柔らかく丁寧に説明をしてくれました。