ライブ情報を発信できるのは国家の首脳だけではない

エルドアン大統領、ゼレンスキー大統領、そしてトランプ大統領のような国家の首脳だけでなく、一般市民もスマートフォン一つでライブ情報を発信できる時代になった。クーデターの実行中、現場にいる市民が写真や動画をSNSに投稿することで、情報は瞬時に広範囲に拡散していく。

その象徴的な例が、チュニジアの露天商モハメド・ブアジジによる焼身自殺だ。この映像がフェイスブックで拡散されると、政権を倒す運動が巻き起こった。デモ隊が警察に弾圧される様子が広がり、人々の怒りを煽る。さらには、ハッカーによって政府の機密情報が暴露され、抗議の渦は「ジャスミン革命」へとつながった。

ジャスミン革命のデモ
写真=EPA/時事通信フォト
2011年1月14日、「ジャスミン革命」当時のチュニジアのデモ(チュニジア・チュニス)

SNSは印象操作にも利用された

この影響はエジプトにも及ぶ。「アラブの春」において、SNSは不特定多数の市民を動員する力をもつことが示された。グーグル社のワエル・ゴニムが、反政府デモを呼びかけたこともその一例だ。彼は、警察から暴行を受けて死亡したハリード・サイードを追悼するグループをフェイスブック上で立ち上げ、民衆をデモに駆り立てた。