崩壊していく家庭

ところが冬木さんが中学に上がる年、父親の仕事がうまくいかなくなった。「節約してほしい」と頼むと、母親は逆ギレし、「家出する!」と言って大喧嘩に発展。冬木さんは本当に家を出て行こうとする母親を何度も泣きながら止めた。父親は次第に「勝手にしろ」と言って相手にしなくなった。

「父はよく『お金を渡すと渡した分を全部使ってきてしまうから際限がない』と愚痴っていました。私は小学校高学年くらいの頃、毎月決まった額のお小遣いをもらって、自分で管理している友達がいることに気づき『うちは何か変だ』と思うようになりました」

兄は高校生になると、すっかり身体が丈夫になっていた。父親の仕事がうまくいっていないことを悟っていた兄は、夏休みに毎日アルバイトをして、稼いだお金のほとんどを父親に渡した。そんな状況でも母親は、家の中に閉じこもり、TVゲームばかりしていた。