自身の安全保障を暴力に頼るしかなくなる

4つの罪で起訴されていた日産元会長のカルロス・ゴーン被告(65)が、初公判を前にレバノンへと不法出国したのは、2019年12月30日のことだ。

レバノン・ベイルートで記者会見を開くゴーン被告。(時事通信フォト=写真)

私が問題としたのは、会社法違反(特別背任)だ。犯行を一言にすれば商取引に見せかけて、資金を迂回させて自己に還流していたということになる。現金を移動させていれば誰でも理解できるのだが、資金移動に「SBL/C」という、日本人には理解できない証券を使い悪質性まで覆い隠した。