【弘兼】それから上司から好かれるために1番大切なのは、不平不満は絶対言わないということです。誰だってみんな不平不満はあるに決まっている。でも絶対に口にしちゃいけない。僕は心の中でさえ不平不満を持たないようにしていました。不平を言ってると自分の中の生産的なものが全部消えていくし、上司のやることも全部否定したくなってしまう。だから仮に上司から納得できないことを言われても、「これはいいことを教えてもらってるんだ」と思うようにしていました。
ものすごく理不尽なことを言われたとしても、「世の中には理不尽ということがあるんだな。そうかそうか、これで勉強になった」と思えばいい。もしくは「この理不尽に対処できたら、これからの理不尽にも頑張って対処していけるかもしれない」というように理不尽の乗り切り方の訓練をしてると思えばいいんです。僕はゴルフでもバンカーに入ったら、「そうか、神様がバンカーを練習しろと言ってるんだ」と解釈する(笑)。85で回るより105で回ったほうが、同じ料金でたくさん練習できるでしょう。
【俣野】確かに心の持ち方次第ですよね。サラリーマンなんて、理不尽を探そうと思ったら1日中探せます(笑)。それを探す時間があったら生産的なことをしたほうがいい。
【弘兼】メチャクチャ理不尽なことを言われたら、その状況を楽しむことですね。「A部長はこう言いました、B部長はこう言いました、さあ困ったどうする」みたいに。
【俣野】実況中継みたいに(笑)。自分の置かれている状況を外から見て面白がるんですね。
【弘兼】「これから私は上司に怒られるので、今日は思い切りへこむ日になります」という具合に誰かにメールでも打っておけばいいんです(笑)。
※この記事は書籍『プロフェッショナルサラリーマン 実践Q&A編』からの抜粋です。