言ってはならない!「やれません」「無理です」
多忙の原因の1つは、仕事の絶対量が多すぎるということです。引き受けなくてすむ仕事なら断ればいいのです。図2に、私自身の「断る基準」を示しておきました。もちろん、断るにしても「どう断るか」がとても大事です。
そもそも仕事の依頼などの場合は、すっぱりと断ることができません。正面切って断ればカドが立つ、すなわち人間関係にひびが入ると考えてしまうからです。たしかに「嫌です」「やれません」とぶっきら棒に言われれば、誰だっていい気持ちはしないでしょう。しかしそれは「断り方」が悪いからであって、「断ること」自体は感情とはあまり関係ありません。
つまり、結果は断ることになっても、最初の応答や結果に至るプロセスがそれほどネガティブでなければ、実は相手に恨まれることなどないのです。
「断るための前提は、断らないこと」
私はこう逆説的に表現しています。最初から「できません」と突き放すのではなく、まずは相手の話をしっかりと聞き、条件を詰めていくなかで妥協点を探っていくのです。それでも無理とわかったときに「今回はできません」となるのです。
とはいえ、絶対にやりたくない仕事やたとえ仕事といえども関わりたくない人もいるはずです。そんなときも、無下に拒絶したりするのではなく、たとえば次のような方便を使うといいでしょう。
「そのお仕事には大変興味があり、挑戦したく思います。しかし私(当社)ではまだまだ力不足で、ご迷惑をおかけすることになると思います」